「全国賃貸住宅新聞」8月3日号、第2回目連載を寄稿しています。
原文は以下の通りです。
賃貸の現場でも目にするようになってきたホームステージング。不動産物件の魅力を引き出す空間演出で、入居希望者に訴求することを意識する点が、インテリアコーディネートとは異なります。室内に家具を置いて素敵に「見せる」だけではなく、そこで暮らしたいと訴えかける=「“魅”せる」ポイントを効率的に押さえることが重要です。
長期空室の場合、室内の空気が澱んで、異臭はしていませんか?良かれと思って貼っている「清掃しました」という掲示物がヨレヨレということはないでしょうか?同じ視点で、物件に一歩足を踏み入れた共用部分から、「“魅”せる」ことができているか意識を持ってください。
そういった当たり前を再点検したうえで、いよいよ、ワクワクを引き出す装飾演出に入りましょう!ホームステージングをすれば差別化につながるので、万人受けする家具を置けば効果はある?答えはNOです。
その部屋にどんな方に住んで欲しいか、考えてみてください。女性?男性?年齢は?家族構成は?勤務地は?休日はどうやって過ごす?欲しいものは?既存の入居者層から考えてもよいですし、既成概念を一新して理想のターゲットをイメージしてもよいです。具体像を想定したら、その未来の入居者の心に突き刺さるエレメンツ(小物)を選びます。10人中7人からまあまあ〇という評価を得るよりも、2人から強烈に◎を得る方が成約効果は高いです。
「現実感がない」と思われてしまうような豪華な装飾はいりません。「これ、おしゃれ!どこで買えるのだろう?」と、その部屋とともに印象に残るようなインテリアを用意できれば、成功です。ターゲット層になりきって、ウインドーショッピングを楽しんだり、好みそうな雑誌を読んでみると、「“魅”せる」インテリアのヒントが見つけられるでしょう。